ハムスターの健康を守るためには冬場の温度管理が欠かせません。
気温が10℃前後まで下がると疑似冬眠に入る可能性が高くなりますが、飼育環境や飼育個体によって耐えられる温度が異なるため一概に断言することはできません。
飼育している個体の変化に対応できるよう、ハムスターが寒いと感じたときの行動について知っておきましょう。
ハムスターは寒さに弱い生き物
ハムスターは暖かい地域の生き物を輸入しペット化した動物のため、寒さに強くありません。
適温は16〜26℃程度とも言われ、気温が10度前後まで下がると疑似冬眠と呼ばれる冬眠状態に入ってしまいます。
野生で生き抜く力を失いつつあるハムスターが疑似冬眠を行ってしまうと、最悪の場合では命を失う結果につながります。
ハムスター飼育を始める際は、冬場の飼育方法について学んでおく必要があるのです。
ハムスターが寒い時に見せる行動
次はハムスターが寒さを感じた際に見せる5つの行動について解説します。
以下の様子が見られたときには温度管理を行い、疑似冬眠を防ぎましょう。
- 巣箱から出なくなる
- 夜に走る音が聞こえない
- 床材を1カ所に集める
- 餌を貯め込むようになる
- 下痢や脱毛、食欲低下が見られる
巣箱から出なくなる
気温が落ち込むとハムスターが巣箱から出てこなくなることがあります。
これは、外気に触れることによる体温の低下を防ぐためで、寒さ対策を行っていない場合によく見られる行動です。
夜に走る音が聞こえない
夜間に活動している音が聞こえない場合には、体力と体温を維持するために巣箱でじっとしている可能性があります。
こちらも外気に触れないようにしている事が原因で、暖かい時期は活動的だった個体が急に活動しなくなった場合には寒さを感じていると判断して良いでしょう。
床材を1カ所に集める
寒さを感じたハムスターは床材を1カ所に集めて巣を作ろうとします。
巣箱やお気に入りの場所に床材を集めるようになったら寒さを感じていることが分かります。
餌を貯め込むようになる
冬場のハムスターは餌を貯蔵するようになります。
ハムスターにはもともと餌を隠す習性がありますが、暖かい時期は隠した餌を安全な場所で食べる一方で、寒い時期には消費量が減り貯める量が増える傾向があります。
こういった冬眠前のような習性が見られたら部屋の温度をチェックしてみましょう。
水の減りが少ない
寒い時期のハムスターは水分摂取量が減るので、給水ボトルの残量をチェックするのもひとつの手段です。
水を補充する際に目安を決めておくと一日にどれくらいの量を飲んでいるのかが分かります。
(健康なハムスターは気温が下がっても水分は摂取します。水が数日間減っていない、減りが異常に少ないと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。)
下痢や脱毛、食欲低下が見られる
ハムスターは非常にデリケートな生き物のため、継続的にストレスを感じたり適さない環境で生活すると、様々な症状が現れます。
特に、寒さに対してストレスを感じている場合には下痢や脱毛、諸局低下などの症状が見られます。
定期的に健康状態を観察してストレスを抱えていないか確認してみると良いでしょう。
すぐに実践できるハムスターの寒さ対策とは
ハムスターの寒さ対策を行うにあたって重視するのが、コスパと実践のしやすさでしょう。
ここからは実践しやすく効果的な3つの対策を解説します。
- 床材を多めに入れる
- ハムスター用のヒーターを入れる
- 室温を上げておく
床材を多めに入れる
気温が15℃前後と、比較的暖かい場合には床材を多めに入れることで寒さ対策を行うことができます。
ハムスターは寒い時期になると床材で巣を作り暖を取り始めるので、体がすっぽり埋まる量を入れてあげると良いでしょう。
ただし、床材による寒さ対策には限界があるため、気温が10℃近くまで落ち込んだときには以下の方法を実践してください。
ハムスター用のヒーターを入れる
気温が落ち込んだ場合でも小動物用のヒーターを設置することで寒さ対策が可能です。
動物用のヒーターは適温を維持する仕組みになっているため、設置したままでも温度が上がりすぎる事はありません。
気温が下がり始める11月頃から暖かくなる3月中旬頃まで設置しておくと良いでしょう。
小動物用のヒーターは1日使用しても1円程度と非常に安いこともあって最もオススメな方法になります。
ヒーターの種類と使い方については『ハムスターのヒーターはつけっぱなしでも大丈夫?冬場の悩みを解決』をご覧ください。
室温を上げておく
居間や寝室などの生活空間でハムスターを飼育している場合には、エアコンや暖房を使用して室温を上げる方法もおすすめです。
設定温度を20度前後にしておけばハムスターの疑似冬眠を防ぐことができます。
ただし、こちらの方法では電気代や灯油代がかさむことがあるので、多頭飼いの場合を除きヒーターの使用がおすすめです。
効果が薄い対策、やってはいけないこと
ハムスターの寒さ対策として、ケージの一部を囲ったりケージを布などで包む方がいますが、これらの方法は効果が薄く、気温が低い時の寒さ対策としては不十分です。
また、電源を切った後のこたつに入れてしまう方もいますが、こたつ内は40℃以上にも達するため入れるタイミングを間違えると命を奪う結果となります。
ハムスターに命を落とすリスクを負わせるのではなく、ヒーターを入れる正しい判断が必要です。
ヒーターを使わない飼育方法は『ハムスターをヒーターなしで飼育する方法とは?賢く冬を乗り切ろう』をご覧ください。
ハムスターの寒さ対策まとめ
このページでは、ハムスターの寒さ対策について基本的な解説から簡単に実践出来る対策方法を紹介しました。
ハムスターは人間に比べて体が小さいため、外気による体温への影響が人間以上となります。
気温が下がり始めたら床材を増やしたり飼育ケージを暖かい場所に移動しましょう。
また、気温が15℃程度まで下がってきたタイミングでヒーターの設置や暖房の使用で温度を調節してあげると良いでしょう。
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