ハムスター飼育をしていると、ハムスターの臭いが気になったり毛に付いた汚れが落ちない時があります。こういった場合にお風呂に入れるべきか検討する飼い主がいますが、ハムスターをお風呂に入れても良いのでしょうか?
大切なペットに悪影響を与えないためにも正しい知識を身に付けておきましょう。
このページでは、ハムスターにお風呂が必要なのかという基本的な解説からケース別におすすめの対処方法を紹介しています。
ハムスターにお風呂は良くない?

そもそもハムスターをお風呂に入れるのは良いことかを確認しておきましょう。
状況にもよりますが、基本的にハムスターをお風呂に入れる事は良いことではありません。ハムスターにとってストレスになるのはもちろんのこと、ハムスターが元々持っている油分を失い皮膚の病気にかかるリスクが高くなります。肌の表面に存在するハムスターにとって良い働きをする細菌を死滅させてしまうこともあります。
しかし、お風呂が一概に悪いと言うわけではなく、ハムスターにとって有害な物質が付着した際などには命を守るための有効な手段となります。
以下でケース別の対処法を紹介しているので、トラブルが発生した際にはそちらを参考に正しい行動をとってください。
お風呂が必要ないケース
まずは、ハムスターをお風呂に入れる必要がない状況について説明します。以下の場合には、お風呂以外の対処法があるので、それぞれに合った方法を実行してください。
- 臭いがきつい
- 糞や尿、無害なごみが付いている
- 無害な油が付着した場合
- 毛の薄い部分がある
臭いがきつい
ハムスターの臭いがきついときには、飼育環境を改善することで問題を解決することができます。
ハムスターの臭いの原因となるのは、床材やマットが吸収した尿です。ハムスターの尿を吸収した床材は非常に臭いため、脱臭作用のあるものと交換することで匂いを抑えることができます。他にも床材の交換頻度を高めたり使用する量を増やすことで匂いを抑えることができます。
また、ハムスターの種類によってはトイレを覚えるため、脱臭作用のあるトイレ砂を入れたトイレを設置しておくことで臭いを抑えることができます。
臭いの原因がハムスターの糞や尿にある場合にはお風呂には入れず、上記の方法を試してみてください。
糞や尿、無害なごみが付いている
ハムスターの毛に糞や尿、無害なごみが付いている場合でもお風呂に入れる必要はありません。
ハムスターの毛並みが汚れている場合には、砂浴び用の砂を設置するのが有効です。ハムスターは自分で砂浴びをすることで体をきれいに保つことができます。砂浴びがお風呂は代わりとなるため人間がケアしてあげる必要がないのです。
どうしても取れない汚れがあった場合には、ティッシュやウェットティッシュなどで拭き取ってあげてください。

アルコールの除菌シートは使わないでね。
無害な油が付着した場合
非常に稀ですが、ハムスターに食用油など無害な油が付着してしまったケースが報告されています。部屋んぽをさせているうちにサラダ油を被ってしまったり、ホイールのベアリング部分に塗った油がハムスターの毛に付着してしまうことがあります。
ハムスターに付着した油が、食用など無害な場合にはお風呂に入れずに取る方法があります。基本的には飼育刑事に砂浴び用の砂を設置しておけば問題ありません。
トイレ砂がない場合には、歯ブラシなどの毛先が細かいブラシにペット用のシャンプー剤をつけてハムスターをブラッシングする方法があります。小麦粉などの粉でも油を落とすことができます。
毛の薄い部分がある
ハムスターがストレスを感じている場合や毛が生え変わる時に毛並みの一部が薄くなることがあります。
これは、一時的なものであり、飼育環境の改善や妊娠、出産の終了、毛が生え変わるのを待てば改善されるためお風呂に入れる必要はありません。
人間のように毛根に脂肪が溜まって毛が生えなくなる現象はハムスターではめったに見られません。反対にお風呂に入れることで肌の病気にかかってしまい、毛が薄くなってしまうことがあるため、お風呂以外の解決方法を実行してください。
一部の毛が全て抜けてしまった場合には、何らかの病気にかかっている可能性が考えられます。その際には動物病院を受診させてください。
お風呂が必要となるケース
上でも説明しましたが、ハムスターは基本的にお風呂に入れる必要がありません。お風呂に入れてしまうことで、必要な養分を失ってしまったり体を守るための細菌を死滅させてしまうことがあるため極力お風呂に入れないのが理想です。
しかし、ハムスターの体にとって有害な物質が付着した場合にはお風呂に入れる方法が効果的です。
ハムスターは、自分に付いた匂いのあるものを舐めて取る習性があります。動物病院に連れて行くのも有効な手段ですが、時間がかかるとハムスターが有害物質を口にする可能性も高くなります。
チョコレートなどハムスターの体に害となる食べ物はもちろんのこと、洗剤や機械油などが誤って付着してしまった場合にもすぐに洗い流す必要があります。
ハムスターをお風呂に入れる方法
ここからは、ハムスターをお風呂に入れる手順を解説します。ハムスターの入浴方法は大まかに以下の3ステップです。
- お風呂の準備を整える
- 湯船では汚れた部分だけ洗う
- しっかり乾かす
1. お風呂の準備を整える
ハムスターをお風呂に入れるためには、お風呂の準備をする必要があります。
洗面器などの容器に浅くお湯を張り、ハムスターの足がつくようにしてあげるとハムスターが容器に落ちた際に溺れるリスクを減らすことができます。ハムスターは水に濡れることを嫌う生き物で、暴れまわる可能性が高いため水位を下げておくのは大切なことです。
また、お湯の温度は高すぎても低すぎても良くありません。25度前後で室温と近くなるように調節してください。
汚れによってはペット用のシャンプーが必要になる場合があります。人間用のシャンプーや石鹸は良くないため、もしもの時に備えてペット用を購入しておくと良いでしょう。
2. 湯船では汚れた部分だけ洗う
ハムスターの汚れが1カ所の場合、全身をお風呂に入れる必要はありません。汚れた部分のみがお湯につかるようにして部分的に洗ってあげましょう。
答えにもよりますが、多くのハムスターは手足が水に付くと急に暴れます。動き回るハムスターを洗うのは大変になるので、汚れた毛だけをお湯につけて洗うのがおすすめです。
「ついでに全身を洗ってしまおう」と考える人もいるかもしれませんが、上でも説明した通りハムスターをお風呂に入れることで必要な油や菌を失ってしまう可能性があるため、極力お風呂には入れないでください。
3.しっかり乾かす
ハムスターお風呂に入れたら濡れた部分をしっかり乾かしてあげましょう。ハムスターの毛は1本1本は細いのですが、量が多いため非常に乾きにくいです。濡れた状態でケージに戻してしまうと細菌が繁殖してしまう可能性があります。
また、冬などの寒い季節に濡れたままのハムスターを放置してしまうと体温が奪われてしまいます。
ハムスターを乾かす際には乾いた布巾を使用して拭いてあげてください。ドライヤーなどを使用するとハムスターが驚くだけでなく、火傷する可能性も高いため熱で乾かす方法は控えてください。
ハムスターとお風呂のまとめ
このページでは、ハムスターのお風呂の必要性からお風呂を入れるべきケースとそうでないケース、ハムスターをお風呂に入れる方法について紹介してきました。
ハムスターは基本的にお風呂に入れる必要がない生き物です。お風呂に入れることで必要な油分を失ったり病気を防ぐ菌を死滅させてしまう可能性があります。
また、以下のような場合にはお風呂に入れる必要がありません。それぞれのケースに合わせた対処法があるためそちらを実践してください。
- 臭いがきつい
- 糞や尿、無害なごみが付いている
- 無害な油が付着した場合
- 毛の薄い部分がある
しかし、ハムスターにとって有害となる物質が付着した場合はすぐにお風呂で洗い流してあげてください。
お風呂に入れるためのステップは以下の通りです。
- 1.お風呂の準備を整える
- 2.湯船では汚れた部分だけ洗う
- 3.しっかり乾かす
ハムスターは水を嫌う生き物であるためお風呂に入れるのは、容易ではありません。このページで紹介したアドバイスや注意点をもとに、しっかりとした事前知識を身に付けて正しい対処をしてください。
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