ハムスターに『部屋んぽ』をさせる飼い主が多くいます。運動不足の解消やストレス対策で行っている人は多いですが、その本当の目的や注意点を知らない人も多数います。
何も知らずに部屋んぽをさせてしまうことで、ハムスターを逃がしてしまったり踏んでしまう事故が発生しています。知恵袋やSNSを参照すると部屋んぽに失敗してハムスターの命を失った飼い主の情報が書かれています。
可愛いペットを知識不足で失わないように部屋んぽについて学んでおきましょう。このページでは、部屋んぽの基本情報からメリット・デメリット、部屋んぽの仕方、注意点を紹介しています。
部屋んぽってなに?
そもそも『部屋んぽ』という言葉をご存知でしょうか?
『部屋んぽ』とは『部屋』と『さんほ』から作られた造語で、その名の通りハムスターを部屋で散歩させることを指します。ハムスターは縄張り意識の強い生き物であるため、狭いケージから出してあげることで部屋を自分のテリトリーであると認識します。そして、この縄張りを侵されていないか確認するために忙しなく動き回ることで、ストレスや運動不足の解消に繋がり健康管理に役立つのです。
また、ホイールを設置していないケージではハムスターが運動不足になります。ケージ内に運動できる環境がないために部屋んぽをさせている飼い主も多いです。
部屋んぽをさせるメリット
部屋んぽに興味を持った方のために部屋んぽにはどんなメリットがあるのかご紹介します。ハムスターを部屋で散歩させることで得られるメリットは以下の3つです。
- 運動不足の解消
- 健康のチェック
- 生活習慣の定着
運動不足の解消
ハムスターに部屋んぽをさせることで運動不足を防ぐことができます。人間の部屋はハムスターのケージに比べて圧倒的に広いため、より長い距離を移動することで運動不足の解消に繋がります。
また、市販のホイールでは走る速さに限界があるのですが、平らな床の上ではハムスターが本来のスピードを出すことができます。筋力の衰えを防ぎながら運動不足とストレスの解消ができるのが部屋んぽの魅力のひとつです。
健康のチェック
ハムスターに部屋んぽをさせる2つ目のメリットとして、健康のチェックが挙げられます。ハムスターが長い距離を走った際に足取りが変ではないか、動きが鈍かったり休憩している時間が長くないかを見てハムスターの健康維持に役立てることができます。
ハムスターは、生後1年半ほどになると老化が始まり走るスピードや距離が落ちますが、生後半年から1年ほどの若いハムスターで動きの鈍さが見られた場合には健康でない可能性があります。
生活習慣の定着
毎日決まった時間に部屋んぽをさせることで生活習慣を身につけることができます。お出迎えしたばかりのハムスターなど、新しい環境での生活に慣れていない子がいるときには部屋んぽを通して生活サイクルを身につけさせると良いでしょう。
消灯前に部屋んぽをさせる、部屋んぽの後にご飯をあげるなど別の何かと組み合わせる工夫も効果的です。
部屋んぽをさせるデメリット
様々なメリットのある部屋んぽですが、一部にはデメリットとなるポイントもあります。部屋んぽの主なデメリットは以下の3つです。
- 部屋が汚れる
- ケージから出たがる
- 踏まないよう注意が必要
部屋が汚れる
部屋んぽの最大のデメリットは部屋が汚れることです。ハムスターの中にはトイレを覚える種類もいますが、部屋んぽ中ではどこで用を足すか分かりません。部屋んぽをさせる場合はフローリングなど掃除のしやすい環境がおすすめです。
また、ハムスターはゴムやシリコン、ビニル素材、革などでできた製品を好みます。放っておいたうちにコードや革製品を齧られてしまった人も多いようです。家具や電化製品だけでなく低い位置に置いてある小物までハムスターに傷つけられないよう片付けておく必要があるのです。
ケージから出たがる
ハムスターは縄張り意識が強いために一度自分のテリトリーだと認識した場所は定期的に巡回したがります。部屋んぽでケージの外の世界を教えてしまうとテリトリーを守るために頻繁に外に出たがります。
「出して」とアピールしてくるだけでなく、ケージを噛んだり登ったりと脱走を図ることもあるので注意が必要です。
踏まないよう注意が必要
部屋んぽをさせている時に起こりうる最悪の事態が誤ってハムスターを踏んでしまうケースです。ハムスターは動きが速いため、いつの間にか近くにいて歩いた際に下敷きにしてしまう事故が発生してしまいます。踏まれてしまったハムスターが助かる可能性は低く、ハムスターにとっても踏んでしまった飼い主にとっても悲しい事故となります。
部屋んぽに不安がある方にはハムスター用のサークルをおすすめします。丸型で使わなくても部屋の仕切りとしてハムスターが入ってこれない空間を作ることができます。
部屋んぽは必要?
では、ハムスターにとって部屋んぽは必要なのか確認しておきましょう。ハムスターにとって散歩は、自分のテリトリーを守る行為です。テリトリーの大きさはハムスターのサイズによって異なるため部屋んぽの必要性も品種によります。
ロボロフスキーハムスターやジャンガリアンハムスターなど、ドワーフハムスターと呼ばれる小型のハムスターは縄張りが狭いため部屋んぽをさせる必要はありません。ケージ内に焙炉を設置しておくだけで運動不足の対策になるためわざわざ部屋んぽをさせる必要がありません。
一方、キンクマなどゴールデンハムスターの種類は体も大きく、縄張りも広いためケージだけでは広さが足りません。大型のハムスターを飼育している方は積極的に部屋んぽをさせてあげましょう。
部屋んぽの仕方
ハムスターに部屋んぽをさせる際には、まずはハムスターが噛みそうなもの、口に入れてしまいそうな物を片付け、入り込みそうな場所には物を置きましょう。そして、扉を閉めたり他の生き物が入れない環境を作りましょう。
ハムスターが狭い場所に入ってしまうとなかなか出てこないこともあるため家具の隙間や冷蔵庫の下には注意が必要です。
また、高速で移動するハムスターを踏まないように注意する必要もあります。ハムスター用のお散歩サークルを用意したり使用しない部屋で散歩させるなど工夫をしましょう。
部屋んぽの時間は?
次に部屋んぽをさせる時間をご紹介します。部屋んぽの時間は長ければ長いほど運動や縄張りの巡回になり効果的と思われますが、ハムスターにとってはストレスがかかってしまいます。
部屋んぽをさせる場合には、10分から30分を目安にしましょう。散歩の時間は短すぎても長すぎても良くありません。ハムスターの中には、ケージに帰りたい時に帰りたいアピールをする子もいるので時間だけを基準にせず、ハムスターの様子を伺って帰してあげると良いです。
給水ボトルや餌を設置していない状態で何時間にもわたって放置することがないよう注意してください。
ハムスター飼育の注意点はこちら
部屋んぽの注意点
ハムスターに部屋んぽをさせる際にはいくつかの注意があります。かわいいペットの命を守るためにも以下の注意点を覚えておきましょう。
- 家外に出さない
- 直射日光を当てない
- リードを使わない
- 絶対に踏まない
家外に出さない
部屋んぽをさせる際には、ハムスターが家の外に出ないよう注意する必要があります。ハムスターは自然界で生き抜く力を失った生き物であるため屋外に出てしまうとうまく隠れることができず、鳥や猫、蛇などの動物に簡単に食べられてしまいます。また、寒い時期には自ら暖を取ることができないために命を落としてしまうことがあります。
日本で野生のハムスターを見かけないようにハムスターには日本の自然で生き抜く力がありません。部屋んぽの途中で外に行かないよう窓はしっかり閉めておきましょう。
網戸だけでは齧って逃げられてしまう可能性があるので注意です。
直射日光を当てない
爬虫類など一部の小動物の中には、体温調節や細菌を殺す目的で日光浴をする生き物もいます。しかし、ハムスターは日光に弱い生き物であるため日光浴をさせる必要はありません。
ハムスターに強い日差しを長時間に渡って当て続けると皮膚のトラブルに繋がります。部屋んぽをさせる部屋には陰になる場所を作っておきましょう。
リードを使わない
ハムスターを散歩させる際に専用のリードを使う飼い主もいますが、リードはハムスターの体を締め付けすぎるデメリットがあります。場合によってはハムスターが窒息死する可能性もあるのでハムスター用のサークルを使うのがおすすめです。
ハムスターが部屋の中をうろちょろして困る時には、段ボールや木板を使用して仕切りを作る方法があります。ハムスターを囲うように接着してサークルを作ったり、道を通れなくする仕切りを作ることでリードを使用しなくて済みます。
絶対に踏まない
ハムスターの部屋んぽで最も恐ろしいのが、誤ってハムスターを踏んでしまう事故です。ハムスターは非常に速い速度で走り回るため、遠くにいると思っていたのに実は足元にいたという事はよくあります。
人間の体重でハムスターを踏んでしまうと、たとえ途中で気づいたとしてもほぼ100%の確率で命に関わる負荷をかけてしまいます。「軽く踏んでしまった」という認識でもハムスターにとっては致命的なダメージとなるため絶対に踏まないよう注意が必要です。
ハムスター部屋んぽのまとめ
このページでは、ハムスターの部屋んぽについて部屋んぽの必要性やメリット・デメリット、部屋んぽの仕方、注意点を紹介してきました。ハムスターにとって部屋んぽとは、自分の縄張りを守るための行為でありゴールデンハムスターなど大型のハムスターには必要な習慣です。
1日あたり10分から30分程度を目安に、長すぎず短すぎない時間で部屋んぽをさせましょう。部屋んぽをさせる際には、ハムスターが逃げたり踏まれたりしないよう注意が必要です。また、外に逃げないよう窓や扉を閉めましょう。
ハムスター専用のサークルの購入をお勧めします。1つ用意しておくだけで長く使えるので持っておくと安心です。
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