ハムスターが自分のうんちを食べている姿を見たことはありませんか?
飼育経験の多い方であれば見慣れた光景ですが、行動の理由を知らないと衛生的に問題がないか不安になってしまうでしょう。
そんな飼い主のために、このページではハムスターがうんちを食べる理由や行動の重要性、うんちに関する危険な病気と対策を紹介しています。
ハムスターを健康に飼育するためのポイントについても解説しているので飼育の参考になさってください。
ハムスターは食糞行動のある生き物
ハムスターがうんちを食べる行動は飼育を始めたばかりの方にとって驚くべきものかもしれません。
しかし、実はうさぎやハムスター、子犬など一部の動物には、自分や親のうんちを食べる『食糞』の習性があるのです。
人間の感覚ではとても汚く病気を心配してしまう食糞行動ですが、これはハムスターが野生の厳しい環境で生き抜くために身につけた重要な習性です。
ここからは食糞について理解を深めるため、ハムスターがどういった理由からうんちを食べているのか確認しましょう。
また、問題があるケースには適切に対応できるよう知識を蓄えておくことが大切です。
ハムスターがうんちを食べる3つの理由
ハムスターがうんちを食べる理由は様々なため一概に断言する事はできません。
以下で考えられる3つの理由を解説しているので該当する項目があるかチェックしてみてください。
ハムスターがうんちを食べる理由①『効率よく栄養を摂るため』
ハムスターがうんちを食べる理由として最も多いのが栄養を効率よく摂取するためです。
自然界における多くの動物は消化効率が悪いため、一度の消化では十分に栄養を摂取できないことがあります。
一度排出された糞にはビタミンやミネラル、タンパク質といった生命維持に欠かせない成分が含まれているので、これらの栄養を余すことなく取り込むために食糞をするのです。
特に自然界で弱い立場にあるハムスターは、大量の餌を集めて天敵に狙われるリスクを負うより少量の餌から余すことなく栄養を摂取する方が安全で効率的です。
この習性はペットとして安全に餌を手に入れられる現在でも残っているため、十分な餌があってもうんちを食べてしまうのです。
栄養が足りない時にもうんちを食べちゃうよ!
ハムスターがうんちを食べる理由②『ストレスを感じているため』
お迎え直後や掃除の後にうんちを食べるようになったら原因として、飼育環境へのストレスが考えられます。
ハムスターはストレスを感じると隠れたり攻撃的になったりと普段とは異なる行動を見せるようになりますが、その1つに食糞行動があります。
慣れていない場所に移動した時、自分の匂いがなくなった時にストレスを感じて、危険を回避するため自分のうんちを食べてしまうのです。
一時的なストレスが原因の場合、飼育環境に慣れたり、自分の匂いが付くことで安心して生活できるようになるので心配ありません。
ハムスターがうんちを食べる理由③『縄張りを主張するため』
ハムスターには縄張り意識があるため、自分のテリトリーを主張します。
このテリトリーに天敵や他の個体が入らないよう、尿やうんちで匂いを付けてアピールするのです。
このケースでは、頬袋にうんちを入れており食べてはいないことが多いです。
縄張りを守るためにうんちを置く行動は特に雄の個体によく見られますが、雌でも同じような行動を取ることがあります。
いずれも本能による行動のため問題はありません。
ハムスターがうんちを食べるのは悪いこと?
ハムスターが自分のうんちを食べている姿を見ると飼い主としては非常に心配になるでしょう。
しかし、ハムスターがうんちを食べる行為自体は決して悪い事ではありません。
上でも解説した通り、ハムスターは栄養摂取や縄張りを主張するためにうんちを食べたり、口内に入れたりします。
これらは極自然な行動であるため飼い主が心配する必要はありません。
ただし、ハムスターがストレスを感じていたり病気に罹っている時には早めに対処する必要があります。
万が一にでもウイルスや細菌、寄生虫に感染していると体調を崩したり人に感染することがあります。
ハムスターのうんちから発見できる病気
ハムスターがうんちを食べる行動に問題はありません。
しかし、健康状態に問題が見られる場合には、自分のうんちを食べることで病気が悪化することがあります。
以下の病気を発症していないか確認してください。
・寄生虫感染
ハムスターが寄生虫に感染すると、体内はもちろん、うんちにも寄生虫の卵や幼虫が混じってしまいます。
そのうんちを自分で食べて症状が悪化したり、乾燥した糞を他の生き物が吸引することで感染することがあります。
寄生虫はケージ内を清潔に保つことで防ぐことが可能です。
しかし、ケージの外を散歩させたり、親や同じケージで生活する他の個体が寄生虫に感染していると感染リスクが高くなります。
・腸内細菌異常
ハムスターの腸内細菌バランスが崩れると、うんちに大量の細菌が含まれた状態で排出されることがあります。
このうんちを食べてしまうと、更に体調が悪くなる悪循環に陥ってしまいます。
下痢をしている時や糞の臭いや色に違和感を感じる時には、ハムスターが食べないようこまめに掃除をしましょう。
ハムスターのうんちに関する病気は動物病院を受診しよう
ハムスターのうんちに関する異常を見つけた際には、早めに動物病院を受診して獣医師の診察を受けましょう。
ハムスターを含む多くの小動物は天敵から身を守るために弱っている姿を隠す習性があります。
そのため、自宅で様子を見たり放置していると致命的な段階まで症状が進んでしまい、異変が現れた時には手遅れというケースも少なくありません。
特に寄生虫に感染した場合は虫下を与えないと完治が難しいうえ、人に感染するリスクもあるので必ず受診しましょう。
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ハムスターの健康を守るためのポイント
ハムスターに病気の疑いがある時には動物病院を受診することが大切ですが、最も重要なのは普段の飼育方法に気を配りハムスターの健康を守ることです。
下記でハムスターを健康に飼育するためのポイントを解説しています。
ハムスターの健康を守るポイント①『清潔な飼育環境を保つ』
ハムスターが自分のうんちを食べるのは本能による自然な行動ですが、衛生的に好ましい行為ではありません。
そのため、ケージ内が不衛生であったり濡れている箇所があると、そこで繁殖した細菌やウイルス、寄生虫を口に入れる事になってしまいます。
ハムスターの健康を守るためには、汚れた箇所をこまめに掃除し週1~2回は半分以上の床材を入れ替える大掛かりな掃除をするのがおすすめです。
湿度を40%~60%程度に保ち、カビの繁殖を防ぐことも大切です。
ハムスターの健康を守るポイント②『バランスの取れたフードを与える』
ハムスターの健康を守るためには、栄養バランスのとれた餌を十分な量与えることが大切です。
フードの栄養バランスが悪かったり量が足りないと、不足した栄養を補うためにうんちを食べるようになってしまいます。
食事のバランスを取るにはペレットを主食として、体重に対する規定の量を与えましょう。
主食としてひまわりの種を与える飼い主もいますが、種子類は脂肪が多いうえにミネラルや動物性タンパク質が摂れないためおすすめしません。
必ずペレットを与えて野菜や種子類は少量に止めてください。
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ハムスターの健康を守るポイント③『ストレスの少ない環境を作る』
ハムスターがストレスを感じることでうんちを食べることがあります。
そのため、飼育環境を整え、ハムスターにとって快適な環境を作ることが大切です。
室温は20℃〜25℃程度を保ち、ハムスターが隠れるためにケージ内には十分な床材とハウスを設置します。
また、ケージは風や直射日光が当たらない、程よく暗い場所に置きましょう。
ストレスの原因や程度は個体により異なるので、自宅のハムスターの様子を観察しながら快適な空間を作ってください。
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ハムスターがうんちを食べる理由と健康維持まとめ
このページではハムスターがうんちを食べる理由から糞を観察することで発見できる病気、健康を保つために覚えておきたいポイントを解説しました。
ハムスターがうんちを食べる行動自体は、本能に従った極自然なもののため飼い主が心配する必要はありません。
しかし、寄生虫感染や腸内細菌異常など放置すると危険な病気も複数あるので、病気が疑われる場合やハムスターに異常が見られる場合には動物病院の受診が大切です。
また、清潔で快適な環境を保つため、普段からこまめな掃除を行い適温を維持するよう心がけましょう。
普段からハムスターをよく観察し健康を守ってください。
是非コメントを残していってください!
食糞のことについて詳しく書かれていてわかりやすかったです。